先日、たまたま秋田にお邪魔した時にいただいた山菜が忘れられません。
採りたての姫たけ(根曲がり竹です)、青コゴミ、うるい、しどけなど、
そのエネルギーの強さに、本当に驚かされました。
みなさんは、今年の春、どんなものを召し上がりましたか?
数年来の山菜ブームのおかげで、東京にいても、
春の恵みを味わうことができるようになりましたね。
反面、マナーを知らない採取者が、根こそぎとってしまい、
次の年から芽が出ない状態になっているところも少なくありません。
ハウスものの山菜が多く出回る中、
自然に生えている山菜は、大事にしたいですね。
ワラビ
(蕨)
実は、世界各地に分布しています。多年生のシダ植物です。
<生えている所>
平地から山地まで、日当たりと水はけの良い草原や土手などに生えます。
<各地域の呼び名> ワラビナ、ヤワラビ、サワラビ、シトケ
<歴史>
「延喜式」の「内膳の部」というところに、当時の宮中の宴に出された漬物49種が書かれ、
ワラビは原料の一つとして明記されています。
<料理方法>
まだ葉の開いていない若芽を折り取ります。灰をまぶし、
たっぷりの湯を沸騰させた中で煮立たせます。
再度沸騰する直前に取り出して水にとり、一晩水に漬けてください。
わらびにはビタミンB1を破壊する酵素が、またアクには
発がん性物質も含まれているのですが、あく抜きで大半は除かれますのでご安心を。
おひたしや和え物、煮物、たたいて細かく刻んでとろろにしても美味です。
コゴミ
(クサソテツ、草蘇鉄)
春一番に顔を出す、シダ類中もっとも美味といわれる山菜です。
クサソテツの名は、葉が均整のとれた羽状で、
一見ソテツの趣があるところからつけられました。
また、コゴミは、若い葉先の巻いた姿が
前かがみ(こごんだ)ように見えることに由来します。
<生えている所>
山林から川原のササ藪の中などに群生しています。
<各地域の呼び名> コウミ、コゴメ
<歴史>
昭和63年に発掘された富山県の縄文時代の遺跡、
桜町遺跡で、コゴミが発見されました。
ただし、当時食用にしていたかは不明とのこと。
<料理方法>
あくがないので軽くゆでただけでおひたし和え物にできます。
胡麻和えや天ぷらでももちろんOK。
ゼンマイ
(薇)
山菜といえばゼンマイを思い浮かべるほど、ポピュラーなものですよね。
ゼンマイという名前は、若葉が銭のように丸く巻いているので、
銭巻からついたようです。
<生えている所>
全国の湿った原野や山麓などに群生します。
地下にある根茎が年々大きくなりますから、収穫量も年毎に増え続けます。
つまり、毎年同じところに生えるということ。
<各地域の呼び名> ゼンメ、ゼンゴ、ムラサキゼンマイ、アオゼンマイ
<歴史>
室町時代の書物の草木の部に初めて「前麻伊」(ゼンマイ)として登場します。
また、かつて、東北地方の山村には、このゼンマイの綿毛を混ぜた作った織物、
ゼンマイ織りがあったといいます。
防水性が優れていたことから雨合羽などに利用されていたようです。
<料理方法>
熱湯でゆでてあく抜きし、何回も揉み繊維を軟らかくして、三日ほど乾燥させます。
食べる前に水で戻し、さらにあく抜きします。
というのが面倒な方は(かく言う私も面倒です)、
素直に水煮したものを買ってきましょう。
煮付け、和え物がスタンダートですが、油炒めも美味しいですよ。
ウド
(独活)
「独活の大木」という慣用句のとおり、春に萌芽して、
夏までに2m余りの背丈になりますが、冬には枯れて木材としても役に立ちません。
が、料理方法も色々で、比較的扱いやすい山菜です。
<各地域の呼び名> マコウド、ケウド、クサダラ
<生えている所>平地や山間部、時にはかなり高い山にも生えます。
<歴史>
江戸時代にはすでに畑で栽培され始めたといいます。
栽培されたものは栽培ウド、自生しているものは
ヤマウドと呼んで区別することもあります。
<料理方法>
茎は皮を厚めにむいて生のままで味噌や三杯みそをつけて食べます。
アクが強いときは少量の酢をおとした水でさらしてください。
胡桃みそで和えたり、煮付けにしたり。
タラノメ
(木の芽)
鋭い棘をもつ幹は、正月行事で鬼を追い払うのに用いられるそう。
摘むのは2番目まで。下の芽まで摘み取ると、枯れてしまうので要注意。
<各地域の呼び名>タラッポ、タランボウ、トゲウド、オニグイ
<生えている所>北海道から沖縄まで、日本各地の山地に生えています。
<歴史>
奈良時代から高級な野菜とされています。
第二次大戦後、切断した根を植える根挿し法が開発され増殖が可能になりました。
また、棘のない系統も育てられています。
<料理方法>
若芽をそのまま天ぷらに。
茎や根の皮は糖尿病に有効とされ、煎じて古くから用いられています。
イタドリ
(虎杖)
全国各地に生育する多年草。赤紫の芽はが伸びだすと、
茎は直立し高さが1〜1.5Mにまで達するものもある。
ちょっとアスパラに似てますよね。
<各地域の呼び名> ヤマウメ、スイカンボ、サシガラ、ドングイ、タジイ
<歴史>
「枕草子」にイタドリは虎の杖と書くとあるが、
茎には虎の斑(ふ)に似た紅紫色の斑紋がある。
古くから食用とされ、正倉院文書や
「延喜式」
(平安時代927年に編まれた、政治全般に関するその当時の百科事典のようなもの)
にも漬物としたという記録がある。
「清良記」
(戦国末期に編まれた日本最古の農書)
にも
3月に採る野菜の一つにあげている。
<料理方法>
春に伸びだす筍状の若芽を折り取る。
皮をむいて生食とするか、薄切りにして塩もみしても。
若い茎は天ぷらや炒め物に。
<郷土料理>
皮をむいて塩漬けにします。
流水で一昼夜塩抜きしていり煮などにして、野菜の不足時に用います。
問い合わせ先 :
farmersdirect@msi.biglobe.ne.jp
●プチ視察旅行記
ちょっと振り返って山菜を特集します。
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